【イラスト講座】愛楽優人のイラストの描き方(メイキング)
メイキングに使うイラスト
今回、メイキングで使用するイラストはこれです。
(クリックすると画像が大きく表示されます)
それでは、はじめて行きましょう。
キャラクターデザイン
僕は本番を描き始める前に、イメージを膨らませるためにキャラクターのデザイン案やどんなキャラなのかをラクガキのようにメモったりします。
これをする事で、「絵を描こうと思っていたのに、真っ白い紙を前にするとなかなか描き始められない」という状態をかなり軽減する事ができます。
まずは、何を描こうか妄想を膨らませていきます。
今回は、「バグナグ」というかぎづめの武器をモチーフにしようと思いました。
バグナグは「虎の爪」という意味を持った武器です。
「バグナグ → 虎の爪 → 猫科の獣人娘」という事で、猫耳キャラになりました。
また、接近格闘をするキャラという事で、快活なイメージができ上がりました。
頭・顔のキャラクターデザイン
頭・顔のキャラクターデザインを、ラクガキくらいの気軽さで描いていきます。
下の絵になるまでにいくつか案を描いていますが、最終的にこれが決定案になりました。
大人しい印象にならないように、髪質を固くして外ハネにしています。
頭の布は、動きを出す効果を狙いました。
体・服のキャラクターデザイン
砂漠(熱い地域)が舞台なので、肌の露出が多い水着のような衣装にしました。
(実際は、砂漠で肌を露出したら肌が焼けて大やけどになりますが、見た目重視でリアリティーをあえて無視します)
「砂漠」から「金でできた装飾品」や「宝石」が浮かんだので、所々に金の装飾品を付けさせています。
(炎天下で肌に直接金属を付けたら大変な事になりますが、やはり見た目重視のためリアリティーは無視します)
本番のイラストでは後ろは描きませんが、ちゃんと後ろ側も考えています。
後ろ側もちゃんとイメージできていると、描いている途中で悩んだり、つじつまが合わなくなるという事がなります。
(なので、適当でも良いので考えておく事をオススメします)
武器のデザイン
この絵は、武器がモチーフになっているので、武器は特に力を入れて考えます。
「虎の爪」なので猫科の動物らしく、引っかいたり、壁に登ったり、爪を収納したり、いろいろイメージを描いていきます。
また、相手が剣などの武器を持っていても防げるように、手の甲の部分を盾としても使えるようにデザインしました。
ラフ
イラストの構図を考えます。
構図を考える時は、大きな画面に描くよりも小さいマスを作ってささっと描く方が気楽に描く事ができます。
下のは2つしかありませんが、実際はもっと多くの構図を描いています。
左は飛び掛かるイメージで描いた物です。
迫力は出ますが、キャラ絵として見せたいと思ったのでアクロバティックな構図はボツにしました。
右はファイティングポーズをイメージして描きました。
キャラも武器もしっかりと見せる事ができ、爪を曲げる事ができるというこの武器の特徴も伝わりやすいので、この構図に決定しました。
下絵
いよいよ本番のサイズで下絵を描いていきます。
先ほどのラフを見ながら形をとっていきます。
後でペン入れをしてキレイな線にするので、とりあえずガシガシ描いていきます。
先に裸の状態で描いて、後から服や装飾品、武器などを別レイヤーで描くと描きやすくなります。
完成した下絵がこれです。
ペン入れ
下絵が完成したら、次はペン入れです。
ペン入れの線の良し悪しで、仕上がり具合が左右されるので、かなり集中して描いていきます。
線が歪んでしまったら、手間を惜しまずにちゃんと描き直します。
全部描き終えた後で、はみ出している部分や汚れている部分を丁寧に修正します。
線画が完成しました。
下塗り
いよいよ、塗りの作業に入ります。
まずは「下塗り」です。
下塗りは、その範囲より外に出ないようにするために必要な作業です。
バケツ機能で色を置いていきます。
全ての色が置けたら、塗り残しがないか拡大した状態で探して、丁寧にブラシで塗っていきます。
下塗りが終わった状態がこの画像です。
塗り
これから本番の塗りをします。
塗る順番はどんな順番でも良いのですが、僕の場合は「肌→目→髪→服→体の装飾具」という順で塗る事が多いです。
早い段階で「肌」と「目」を塗ると絵の完成がイメージしやすくなるので、最後まで塗るモチベーションを保つのに役立ちます。
(これは人によってさまざまで、最後に目を塗るという人もいます)
肌を塗る
色を塗る時は、下絵にクリッピングをして、下絵の範囲からはみ出さないようにしてから塗ります。
まず、肌に1段階目の影を入れます。
1段階目の影は、体の曲線を表現するためにつけるので、光の方向を考えながら入れていきます。
次に、2段階目の影を入れていきます。
2段階目の影は、体の下や重なった部分にできる影などを表現するため、先ほどの影よりも濃い色で塗っていきます。
次に、肌のハイライトを入れていきます。
光の方向を考えて、光が一番強く当たる場所を白色で光らせていきます。
これで肌の塗りは完成です。
下塗りの時と比べて、肌の部分に立体感が出ました。
目を塗る
次に目を塗ります。
目は塗りの中でも最も重要な部分なので、特に力を入れて塗ります。
目の塗り方ひとつでキャラクターの印象がかなり変わってしまうので、塗った後におかしいなと思ったら、思い切って最初から塗り直しましょう。
その方が良い絵になる事が多いです。
白目の部分の影を塗ります。
青みがかったグレイで軽く入れます。
次に、瞳を塗ります。
目のフチと瞳孔を塗ります。
先ほど塗った瞳孔のフチに瞳孔の色より少し明るい色を置いて、少しグラデーションのかかった柔らかい印象にします。
次に、目の下の方に明るい緑色で三日月型に塗ります。
最後にハイライトを入れます。
ハイライトを入れると、急に輝いた目になって命が宿ったような表情になります。
髪と猫耳・しっぽを塗る
髪と猫耳・しっぽを塗ります。
肌とほぼ同じ塗り方です。
服を塗る
服を塗ります。
影色は、重さを感じるように暗めにしています。
ハイライトは、あまり入れすぎると布ではなくビニールのようなテカテカした素材になってしまうので、胸などに軽めに入れています。
装飾品と宝石を塗る
装飾品(黄色部分)は、光の向きを考えて塗るだけなので、さくっと塗りました。
なかなかに難しいのが宝石です。
塗り方ひとつでかなり変わってしまうので、塗り終わった後で見直して、思ったのと違っていれば塗りなおしてみるのも良いでしょう。
フチの部分を暗くします。
下のフチの部分に、少し明るい色で塗ります。
上のフチをさらに暗くし、中央の上の部分も暗くします。
乗算レイヤーを作って、左半分に暗い影を落とします。
ハイライトを塗ります。
塗った後にボカシなどで擦ると、つるんとした輝きが出ます。
最後に下の部分を整えて、宝石の完成です。
武器を塗って、キャラクターの完成
キャラと同じ要領で武器も塗ると、キャラクターの完成です。
下塗りと比べると、ずいぶんと立体感が出ました。
背景
次は、背景を描いていきます。
背景は自然物なので、下絵を描かずにそのまま塗りで表現していきます。
建物の場合は、キャラと同じように「下絵→ペン入れ→塗り」という過程になります。
空と砂漠を大まかに塗る
空を青、砂漠の砂をベージュとして、大まかに塗ります。
これで2つの範囲が分かりやすくなりました。
空を塗る
空にグラデーションをかけて、より深い青にします。
砂との境界に、白くブラシで塗ってクッキリしすぎないようにボカシを入れました。
砂漠を塗る
砂漠の砂山に当たる光の具合を考えながら、軽く影を入れていきます。
砂漠の砂に、さらに濃い色を入れます。
クッキリしすぎないように、塗りながらボカシます。
光が当たる部分に、ハイライトを入れていきます。
これで背景の完成です。
仕上げ
最後に、仕上げをします。
これはやらない人もいますが、やっておくと絵の見栄えが少し変化します。
今回は、線画を柔らかくする「色トレス」をします。
① 画面全体を統合したものを複製します。
② 複製した方をクリッピングレイヤーにして「線画」の上に乗せ、合成モードを「スクリーン」にします。
③ 複製した方を「レベル補正」で適当に暗くします。
④ ちょうどいい色合いになるように、「不透明度」を変更します。
(③と④は、好みの感じが出るように何度も繰り返します)
色トレスなし
色トレスあり
完成
仕上げが終わったら完成です!!
おまけ
フィルターをかけて「猫パンチ」をしているようにしてみました。
使用しているソフト・周辺機器など
■ 使用しているソフト
CLIP STUDIO PAINT
■ 使用している周辺機器
Intuos Pro
Logitech G13
左手デバイス(Logitech G13がない場合はコチラから探してみてください)
Logicool ゲーミングマウス G600