【小説講座⑪】キャラクター設定表・キャラクターの役割・メインになる登場人物の数
メインになる登場人物の数
メインになる登場人物の数は、あまり多くならないように気をつけましょう。
漫画の場合は、常に視覚的に外見を見る事ができるため、ある程度人物が多くても覚えておく事ができますが、小説の場合は、登場する度に外見的特長を書くわけにはいかないため、物語を通して人物の特徴を知って覚えてもらう必要があります。
一度に登場する人物が3人だと、まだなんとか違いを覚える事ができますが、一度に5人も10人も出てきてしまうと、読者は人物の特徴がごちゃ混ぜになってしまって覚える事ができません。
特徴を覚えきれずに誰が誰だかわからなくなってしまうと、もう一度読み返さないといけなくなったり、めんどくさいと感じてしまったりします。
人物を多く出したい場合は、読者がちゃんと把握したのを見計らって、新キャラとして少しずつ登場させると良いでしょう。
ただし、人物を多く出すほど、一人に使えるページ数が減る事になるため、一人を深く掘り下げる事ができなくなる事は頭に入れておきましょう。
人物の上手な増やし方は、ハーレム系のライトノベルが参考になります。
主人公にとって側にいて当たり前になっている幼馴染の女の子が最初に登場します。
次に主人公の憧れているクラスの女の子が登場し、しばらく主人公と女の子二人で物語が進みます。
読者が、登場人物の3人に慣れて来た頃に、二人より目を引く特徴を持っていたり、トラブルを起こすような3人目が登場したりします。
最初から大勢登場するタイプの小説もありますが、書き慣れるまでは少人数で書いてみると良いでしょう。
キャラクターの役割
キャラクターの役割を考える
キャラクターの役割とは、物語上でそのキャラクターが必要となる理由の事です。
極論を言うと、役割のないキャラクターは作る必要はありません。
物語を盛り上げるため、しっかりと役割を考えて必要なキャラクターを作りましょう。
●主人公
主人公については、この後で説明する、『「感情移入」と「憧れ」と「欠点」について』をご参照ください。
●恋人
三角関係だと二人、ハーレムモノだと複数人になる事もあります。
●仲間
主人公とよく一緒にいる人物です。
主人公を助けるために行動します。
●脇役
主人公の家族やクラスメイトもこれに当たります。
●ライバル
主人公が越えないといけない相手です。
バトルモノだと倒すべき相手だったり、恋愛モノだと恋敵だったりします。
主人公にないものを持っていたりするため、強くもあり、魅力的でもあります。
ただの敵ではなく、勝った後は仲良くなったり仲間になったりします。
●ザコ敵
主人公が力を示すためのザコとして登場します。
倒しても仲間にならない敵です。
知能のないモンスターや、力はあるが頭が悪いなど、主人公の敵でない事がほとんどです。
主人公がその敵を簡単に倒したり、余裕で一騎当千する事で、主人公の持っている力を読者に示すために役に立ちます。
●ボス
仲間と協力して乗り越える必要のある、力を持った敵です。
簡単にはクリアできず、主人公たちはピンチになります。
「トラブル」という形で、主人公の行く手を邪魔するイベントもここに入ります。
●ラスボス
最後のボスです。
これをクリアすれば、物語はエンディングを迎えます。
今までの集大成ですので、主人公たちに全力で挑ませましょう。
ラスボスが弱いと、主人公たちが全力を出す必要がなくなってしまうため、盛り上がりに欠けてしまいます。
主人公たちの力や魅力が最大限発揮できるように、ラスボスはよく考えて設定しましょう。
「キャラクター設定表」を作っておく
小説を書いている内に、キャラクターの特徴や情報を作者本人が忘れたり、間違えたりしないように、キャラクター設定表を作っておく事をオススメします。
また、身体的特徴やクセなどを書いておく事で、物語の中で表現として使う事もできます。
●最低限考えておくと良いもの
○名前
○あだ名
●外見的特長
○年齢
○仕事・学年
○身長・体重・体形・肌の色
○髪型・髪色
○瞳の色
●内面的特長
○一人称(僕・俺など)
○性格
○趣味
○好きなもの・嫌いなもの
○クセ(くちグセ・しぐさのクセ)
○目的(行動原理。何のために行動しているのか)
必要なら書いておくもの
○種族(ファンタジーの場合)
○利き手
○出身地(出身が国外や方言をしゃべる場合)
○生い立ち(その人物を作り上げているバックボーン)
○家族構成
○服装(よく着ている服装・アクセサリー)
○使用武器
○格闘スタイル
○魔法の系統
○所属ギルド