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【小説講座⑫】行動原理・感情移入と憧れと欠点・キャラクターのギャップ

行動原理

行動原理とは、その人物が「どのような理由で、その行動を起こしたのか」という事です。

 

人は、「思考・欲求・信念」などにより、「走る」「泣く」「戦う」「人を助ける」などの行動を起こします。

 

何もないのに「人を殴る」という行動を起こすと、ただの危ない人ですが、「仲間が襲われている」という状況があり、「仲間を助けたい」という欲求を持てば、「相手を殴ってでも仲間を助ける」という行動にも必要性を感じる事ができます。

 

 

行動原理で人物像が決まる

行動原理は、その人物の「人物像」が決まる大事な要素の1つでもあります。

 

「何らかの理由により、恋人の命がかかっている」という状況があった場合、その人物の行動原理は「なんとしても恋人を助けたい」という事になります。

 


物語の途中で、キレイな女性に誘惑されても、大金を得るビジネスを持ちかけられても、途中で困ってる人がいても、「それをしない」という人物になります。

 

寄り道をした結果、恋人を助けられなくなる可能性があるからです。

 

焦りから笑顔は一切なく、イライラしているかもしれません。

 

事情を知らない人から見れば、「堅物でユーモアのカケラもない人物」に見えるでしょう。

 

もし「恋人を助けなければ」という状況がなければ、キレイな女性の誘惑に乗り、大金を得るビジネスに手を出し、困ってる人を助けたかもしれません。

 

 

 

「感情移入」と「憧れ」と「欠点」

「感情移入」について

小説は、一人称の場合は特に、主人公目線で物語を読み進めるため、主人公に感情移入できるかどうかが重要なポイントになります。

主人公に感情移入できない物語は、主人公が感じている事や言っている事が理解できず、「この主人公は何を言っているんだ」という気持ちになり、酷い時には不快感すら覚える事があります。

主人公を考える場合は、感情移入ができるかどうかをしっかり考えて作りましょう。

 


●感情移入に必要な事

○自分に近い
年齢や性別、生活環境など。


読者が中学生だった場合、一児の父が主人公で子育てに困っていたら、共感する部分がないため、感情移入する事ができません。

 

 

○自分と考え方・気持ちが似ている
かわいいヒロインのしぐさやセリフに、主人公がかわいいと感じた時、読者もかわいいと感じていると感情移入します。

 

 

○親しみを感じる
超エリート学校に通い、友達との友情よりも勉強時間を取り、起業する事が目的という主人公の場合、実際にいたら、仲良くなれるかどうか考えてみると、「僕は忙しいんだ。話しかけないでくれ」と言われそうで、親しみを感じるどころか取り付く島もない気がします。

 

逆に、普通の学校に通い、成績も平均的で、クラスでも特に目立たず、休み時間には男3人でラノベや漫画の話をしている主人公の方が、親しみを感じる人は多いと思います。

 

 

 

憧れ・魅力

感情移入がしやすいだけの主人公は、平凡でどこにでもいそうな人物になってしまい、憧れや魅力を感じにくくなってしまいます。

 

憧れとは、「自分が持っていないものを持っている存在に、自分もなりたいと思う気持ち」です。

 

主人公に感情移入した読者は、憧れている主人公になってうらやましく思うような状況を、主人公を通して体験します。

 

物語を読むと、「憧れている存在に自分もなれる」という事で、物語を楽しんで読み進めてくれるようになります。

 

 

 

「欠点」について

「憧れる人物」は自分にないものを持っている存在で、「感情移入する人物」は自分に近い存在となり、真逆になってしまいます。

 

「たくさんの女の子と一緒に学園生活を過ごしていて、みんなから好意的な目で見られている」をそのまま使ってしまうと、いつも女の子にモテモテという存在になってしまい、読者がモテモテでない場合、共感しずらく感情移入する事ができません。

 


そこで、この人物にマイナスになる要素「欠点」を加えます。

 

「人と話すのが苦手で、休み時間はいつも一人でいる」という欠点を加えると、人と話すのが苦手な人や一人でいる事が多い人は、共感して感情移入しやすくなります。

 

つまり、「人と話すのが苦手で、休み時間はいつも一人でいる」主人公が、何かをきっかけにして「たくさんの女の子と一緒に学園生活を過ごして、みんなから好意的な目で見られる」ようにする事で、感情移入させた状態で女の子にモテモテの学園生活を疑似体験してもらえるようになります。

 

相反する「憧れ」と「感情移入」は、「欠点」を入れる事で繋がるようになります。

 

 

 

キャラクターのギャップ

「キャラクターのギャップ」とは

ギャップとは、いつも見せている姿とはかなり差がある姿の事です。

 

有名なものだと、「ツンデレ」があります。

 

いつもはキツイ対応をしてくるが、時折しおらしくなったり、物語の最初はキツイ対応だが、後半で好意的になり優しくなったりします。

 


●ギャップがある事によって、近寄りがたいキャラも親近感が沸く。

 

とても強い大男が、犬が嫌いで小さな犬でも怖がる。

 

容姿端麗、成績優秀、家は財閥でお金持ちの生徒会長は、漫画やラノベが好き。

 


●親近感を感じるキャラが、特別な能力を持っていると憧れを感じる。

 

背が低くて幼い雰囲気の少女が、実は天才で名の知れた大魔法使い。

 

優しそうで笑顔の男性が、実は裏では組織の暗殺者。

 

ギャップがあるキャラは、裏表がない人物より魅力的に感じる傾向があります。