【小説講座①】句読点・段落の分け方・禁則処理・指示語
文章を書く時の基本
一文の長さ
一文の長さをあまりに長くしてしまうと、読みにくくなってしまいます。
日本語は、結論が文章の最後に来るため、結論が出るまでは何を伝えようとしているのかが確定しないためです。
音読してみて違和感を感じたら、短くまとめられないか、2つに分割できないかを考えてみると良いでしょう。
○長すぎる状態
「今日、学校で体育があったんだけど、体操服を忘れてしまったから、隣のクラスのAさんの所に借りに行ったんだけど、
Aさんも持ってきてなかったから、別のクラスのBさんの所まで借りにいったよ」
○短く2つに分けた状態
「今日、体育があったんだけど、体操服を忘れてしまったからBさんに借りたよ」
「隣のクラスのAさんが持ってたらよかったけど、Aさんも持ってなかった」
段落の分け方
段落を分けずに書いてしまうと、本(画面)が文字で埋め尽くされてしまい、非常に読みにくくなってしまいます。
また、「。」が来るごとに段落を分けてしまうと、スカスカになってしまいます。
段落分けにもルールがあり、それを守る事で読みやすくなります。
○場面・時間が変わったら段落を分ける。
○人物や視点が変更したら段落を分ける。
続けて書いてしまうと、誰の視点で見ているのか混乱してしまうため。
○強調するために段落を分ける。
前と後ろを開けて、注目するように使う事もあります。
○スピード感を出すために段落を分ける。
短い文ごとに段落を分けて、次々に文章を目で追わせる事でスピード感を感じさせる事ができます。
行頭を1文字空ける
文章の段落の行頭は、1文字空けます。
ただし、「」()などが行頭にくる場合は、1文字空けずに書き始めます。
禁則(禁則処理)について
禁則とは、特定の記号を前に送ったり、後ろに送って読みやすくするためのルールの事です。
●行頭に置いてはいけない記号
文字数の関係で行頭にきてしまった場合は、1つ前の行末に書きましょう。(ぶら下がり)
○括弧閉じ )」
○句点 。
○読点 、
○感嘆符 !
○疑問符 ?
●行頭に置いてはいけない記号
文字数の関係で行頭にきてしまった場合は、1つ前の行末に書きましょう。(ぶら下がり)
○括弧閉じ )」
○句点 。
○読点 、
○感嘆符 !
○疑問符 ?
●行末に置いてはいけない記号
文字数の関係で行末にきてしまった場合は、次の行頭に書きましょう。(追い出し)
○かっこの始まり (「
句読点について
句読点とは、「句点(。)」と「読点(、)」の事です。
文章を読みやすくしたり、あえて間を取って次に来る文字を強調するために使用します。
●句読点が全くないと読みづらくなる
前の文字と後ろの文字が繋がって見えてしまうため、長文をひと呼吸でしゃべっているように感じてしまったり、言葉の意味が違ってしまったりします。
文章を読み返して違和感があったら、音読してみると良いでしょう。
○句読点がない場合
「随分前だけど僕もその話をきいた事がある本当かどうかわからないけど」
○句読点がある場合
「随分前だけど、僕もその話をきいた事がある。本当かどうかわからないけど」
●間を持たせる事で、文章の中の特定の部分を強調できる
サラっと言ってしまうよりも、「間」がある方が言葉の印象が強くなります。
○句読点(間)がない場合
「もし僕が勝ったらみんなにした事を謝ってもらうぞ」
○句読点(間)がある場合
「もし、僕が勝ったら、みんなにした事を、謝ってもらうぞ」
記号の表記について
●かっこについて
キャラクターのセリフは「」で囲みます。
キャラクターの心の声は()で囲みます。説明にも使う事があります。
強調したい言葉は『』で囲みます。
セリフの中に出てくる他の人のセリフも、『』で囲みます。
「お父さんが『明日は7時に起こしてくれ』って言ってたよ」など。
「」や()などの、かっこの中の文字の文末には「。」を付けずに括弧閉じをします 。
「明日、遊びに行きます」(もっと早く来ていれば)
●「?」と「!」について
○「?」「!」や記号の後は、1文字開けます。
○2つ並べる時は、半角にして横並びにします。「!!」「!?」
●三点リーダーについて
三点リーダーとは「…」の事です。
「待って……」などの弱々しさや、沈黙などを表現するのに使われます。
三点リーダーは、必ず偶数(2、4、6…)で使うルールになっています。
沈黙の場合は、「…………」のように、主に4つ並べて使われます。
●ダッシュについて
ダッシュとは「―」の事です。
「僕は空を見上げた――流れ星だ」など、間を表現するのに使われます。
ダッシュは、必ず偶数(2、4、6…)で使うルールになっています。
●二重引用符について
二重引用符とは「“」の事です。
「“ファイアーボール”」など、強調するために使われます。
数字の表記について
横書きの数字の表記は、どういうものでもあまり違和感を感じませんが、縦書きの場合は、違和感を感じさせない表記をする必要があります。
指示語について
指示語とは、「それ・これ・あれ」などの前に出た物事を指す言葉です。
指示語は正しく使わないと、何の事を言っているのかわからなくなる可能性があるため、注意が必要です。
書いた後は、指示語が間違っていないか、「それ」の部分に指し示している名詞を当てはめて確認してみましょう。
「それを取ってくれないか」
↓
「ライターを取ってくれないか」
●単数か複数か
単数の場合は「これ」になりますが、複数の場合は「これら」になります。
1つしかないのに、「これら」と書いてしまうと、複数あるのかと読者を混乱させてしまいます。
●距離感
指し示す言葉は、距離により変化します。
これ・それ・あれ
(近い → 遠い)
手が届かないほど遠くにあるのに、「これ取って」と書いてしまうと、近くにあるのか遠くにあるのかわからなくなり、読者を混乱させてしまいます。