【小説講座⑤】視点(一人称・二人称・三人称)・会話文・地の文
「視点」と「地の文」
「一人称」について
一人称とは、主人公やメインになっている人の視点で物語が進みます。
読者は主人公とシンクロするように物語を体験する事ができます。
臨場感があり、世界観に入り込みやすくなります。
「僕は○○した」のような文章が使われます。
大きな特徴としては、主人公が気を失ったりした場合、意識のない間のできごとは読者も知る事ができなくなります。
ただし、別の人物の視点を使うと、主人公の意識がない間も物語を見る事はできます。
別の人物の視点に変える時は、急に視点を変えてしまうと誰の心情なのか、読者が混乱してしまう可能性があるため、章や段落を変えて明確な区切りを作る必要があります。
初心者の場合は、三人称よりも書きやすいため、一人称で書く事をオススメします。
「三人称」について
主役やそこにいる誰かでもなく、客観の視点で物語が進みます。
読者は、登場人物の誰になるでもなく、テレビを見ているような距離感で物語を見守ります。
主人公などの人物に視点を縛られないため、主人公の意識がない時や、主人公のいない遠い場所の出来事でも、読者に物語を見せる事ができます。
「(人の名前)は○○をした」のような文章が使われます。
現在の状況や人物の動き・考えなど、物語の全体を常に把握しておく必要があるため、一人称に比べて難しくなります。
「二人称」について
小説は大抵、一人称か三人称で書かれている事が多いため、二人称はあまり見かけませんが、二人称もあります。
二人称は、主人公が読者に語りかけるような変わった視点で物語が進みます。
「君(読者)にも伝えておこう。私の冒険の全てを……」のような文章が使われます。
「一人称」と「三人称」の複合について
通常は三人称で進みますが、人物の心情を伝えたいシーンでは一人称になります。
扱いが難しいため、小説を書く事に十分に慣れてから挑戦してみましょう。
「地の文」について
地の文とは、会話文以外の文章の事です。
地の文は会話文以上に、小説全体の雰囲気に大きく影響を与えます。
「一人称」で少年視点の場合は、「少年の心の声」になるため、「僕は~です」や「僕は~だ」など少年の口調になります。
「三人称」の場合は、第三者が見ている視点のため、
「○○は○○です」「○○は○○だ」「○○は○○である」
など、第三者の口調になります。
会話文
ライトノベルは、人物同士の会話により物語が展開していくため、会話文はとても大切です。
会話文を使う事で、読者がテンポ良く読み進められたり、人物の魅力が増したり、情景や状況が伝わりやすくなります。
会話文で気をつける事
●セリフを長くし過ぎない
1つのセリフが長文になってしまうと、読者がとても読みづらくなってしまうため、適度に区切り、間に人物描写を入れましょう。
●間に地の文を入れる
複数の人物が会話している場合、長い間セリフだけでやり取りしていると、誰がしゃべっているのかわからなくなってしまう可能性があります。
また、どういう表情をしているのか、どんなしぐさをしているのかなど、人物の情報がないために状況がイメージしづらくなってしまいます。
セリフの間には適度に地の文を入れて、話している人物たちの情景がイメージできるようにしましょう。
●「○○と言った」を多用しない
セリフがある時点で「言った」のはわかりますので、それ以外の情報を入れましょう。
「髪の毛をかきあげた」や「○○は僕の顔を覗き込む」など、情景を入れる事で、セリフも引き立ち、魅力的な会話や人物になります。
●口調や会話の内容で、誰が話しているのかわかるようにする。
複数の人がいて、誰がしゃべっているのかわからなくなると、読者は混乱してしまいます。
しっかりと人物を書き分け、口調や会話の内容で誰のセリフか、読者がちゃんとわかるようにしましょう。