【歌講座①】「声量・音程・リズム」「ボーカルフライ・ハミング・リップロール」
歌は「声量・音程・リズム」が大切
「声量」について
「声量」とは、「声の大きさ・力強さ」の事です。
声量がないと、声が小さくて聞こえなかったり、弱々しくなってしまいます。
叫んだり、がなったりせず、喉に負担をかけないように、楽に大きな声が出せるように練習しましょう。
「音程」について
「音程」とは、「音の高さ・低さ」の事です。
「ド」の音を出すべき所で、「ミ」の音を出してしまうと、「音程が取れていない」という事になります。
狙った音が、しっかり出せるように練習しましょう。
「リズム」について
「リズム」とは、「一定の間隔で繰り返される音のパターン」の事です。
歌にもリズムがあり、リズムが悪いと、音がズレてしまったり、歌い始めに入り損ねてしまいます。
歌や音楽に合わせて、手を叩いたり、手を動かしたり、足踏みをしたりして、リズム感を鍛えましょう。
歌う前は「ウォーミングアップ」をしよう
「ウォーミングアップ」について
歌もスポーツのように、喉や体の筋肉を使いますので、ウォーミングアップが必要です。
いきなり本気で歌い始めずに、軽く発声したり、体をストレッチして、体を慣らしましょう。
「体のウォーミングアップ」の仕方
体に余計な力が入っていると、声の響きが悪くなってしまいます。
歌う前には、体をほぐしておきましょう。
●肩のウォーミングアップ
腕を回して肩をほぐします。
●首のウォーミングアップ
①首をゆっくりと左右に動かします。
②首をゆっくりと前後に動かします。
③首をゆっくりと回します。
④首の付け根、首、肩の筋肉を、手で揉んでほぐします。
●「口・喉のウォーミングアップ」の仕方
①舌を前に出して伸ばします。
②あくびのようにノドの奥を広げます。
その状態で舌を出します。
●「表情筋のウォーミングアップ」の仕方
①口を、「イ」と「ウ」の形にして、ゆっくり交互に動かします。
②口を、「エ」と「オ」の形にして、ゆっくり交互に動かします。
③口を、「アイウエオ」の形にして、ゆっくり大きく動かします。
●「声帯のウォーミングアップ」の仕方
歌の練習をする時やカラオケで歌う時には、声帯のダメージを軽減するためにも、声帯のウォーミングアップをしてください。
「声帯のウォーミングアップ」は、この後の「歌の練習方法」で紹介しますので、それをやるようにすると良いでしょう。
歌の練習をしよう
歌の練習方法
「歌の練習」というと、「好きな歌や課題曲を、何度も繰り返し歌って練習する」
というイメージする人が多いと思います。
「すでに基礎ができていて、歌がうまい人」は、「実際に歌って練習する」という方法で良いのですが、「歌が苦手」「歌がうまくない」と思っている人は、まずは基礎練習をしっかりとしましょう。
ここで紹介する練習方法は、プロの歌手がウォーミングアップとして、歌う前にやっている方法でもありますので、カラオケなどで歌う前にやっておくと、点数が上がったり、気持ち良く歌えるようになったりします。
●「ボーカルフライ(エッジボイス)」について
「ボーカルフライ」とは、低音域で声帯をブブブと振動させて出す声です。
「エッジボイス」とも呼ばれています。
ボーカルフライをする事で、声帯を閉じるための筋肉が強化されたり、声帯を閉じたまま発声する感覚を身に付ける事ができます。
声帯を閉じる事によって、息漏れのない発声ができるようになり、力強い声が出せるようになったり、ワンフレーズを長く安定して歌えるようになります。
また、ミドルボイスを使うためにも必要な技術でもあります。
「ア~」と言いながら、だんだんと声を低くしていき、これ以上低くできないという所まで低くしていくと、声帯から「ブブブ」という振動音がしてきます。
●「ハミング」について
「ハミング」とは、口を閉じて、「ん~」だけで音程をとって、歌を歌う事です。
「鼻歌」とも言います。
声の響きをコントロールする練習になります。
また、正しい音程の感覚を身に付ける事ができるので、「声のチューニング」にもなります。
●「リップロール」について
「リップロール」とは、口を軽く閉じ、唇を少し突き出した状態で、息を出して、唇をプルプルさせる事です。
うまくできていると、「プルルルルルルゥ……」という音が出ます。
リップロールがうまくできない場合は、唇などに力が入っている可能性があります。
(唇が乾燥しすぎている場合もあります)
リップロールに慣れてきたら、リップロールをしながら、音程をいろいろ変えてみてください。
「声帯のコントロール」をする能力が上がって、正しい音程を出せるようになる効果や、裏声がキレイに出せるようになる効果があります。
●「ロングトーン」について
「ロングトーン」とは、同じ高さの音を長く続ける事です。
ロングトーンを練習する事で、息が長く持つようになり、力強く、安定して声が出せるようになります。
「ア~」と声を出し、息がなくなって声が出なくなるまで続けます。
「弱い声から、だんだん強く」したり、「強い声から、だんだん弱く」したり、「低い声から、高い声」にしたり、「高い声から、低い声」にしたり、いろんな声で練習してください。
慣れてきたら、ビブラートをかけながらやってみましょう。
●「ビブラート」について
「ビブラート」とは、声を伸ばす時に、音の高さを上下に揺らす事です。
普通に真っ直ぐに伸ばすよりも、ビブラートをかける方が余韻が感じられるようになります。
ですが、なんでもビブラートをかければ良いというわけではなく、かけすぎるとクドくなってしまいますので、プロがどこでかけているのかを、良く聞いてみましょう。
ビブラートは、「ドギーブレス」で練習できます。
ドギーブレスとは犬の呼吸の事で、「ハッハッハ・・・」と犬のような呼吸をする事で、横隔膜が動きます。
その状態で、「アー」と声を出すと声が揺れ、ビブラートがかかります。
ビブラートがうまく聞こえるコツは、「途中で声が途切れない事」「触れる幅(深さ)が一定」「揺れる速さ(間隔)が一定」の3つの要素ですので、できるように練習してみてください。