【宅録講座②】「声の音質」を良くする方法
「声の音質」を良くする方法
「マイクを使った声」について
「ボイス作品」でも「配信」でも、遠くの人に声を届ける時には、マイク前で声を出す必要があります。
マイク前で声を出す時は、普段のおしゃべりや、お芝居の演技とは違った、注意点やコツがあります。
自分の声を聞いてくれる人に、魅力的な声・心地良い声・聞き取りやすい声を、届けられるようにしましょう。
意識して、口を大きく開ける
声が、歯や唇に当たると、声がくぐもったようになり、不明瞭になってしまいます。
意識して口を大きく開ける事で、しっかりハッキリとした声を届ける事ができます。
普段より、意識して明るいトーンで話す
ひとりでマイクに向かって話していると、「独り言」や「つぶやき」のような感覚になってしまって、テンションが上がらずに、暗くなってしまいがちです。
また、「対面で話しをしているわけではなく、表情や身振り手振りの情報が全くない」ため、声だけ聞いている人は、もっと暗く話しているように感じてしまいます。
試しに、「収録した自分の声」を聞いてみてください。
自分で思っている以上に、楽しくなさそうにしゃべってしまっている事に、気付くかもしれません。
しゃべる時は、意識して「普段よりも明るいトーン」でしゃべるようにしましょう。
楽しそうにしゃべっている人は、魅力的に感じますので、聞いている人にも好印象を与えます。
もし、なかなか明るいトーンでしゃべる事が難しい場合は、「友達としゃべっている時」や「楽しい事」を思い出して、笑顔でしゃべってみましょう。
口角を上げてしゃべる事で、自然と声が明るくなります。
抑揚を大きくする
「声だけ」になると、表情や身振り手振りがないため、「伝えたい事」がなかなか伝わりずらくなってしまいます。
普段しゃべる時よりも、抑揚を大きくしてしゃべるようにしましょう。
声を出す時は、相手の位置を想定する
マイクが目の前にあると、ついついマイクの位置に向かって、声を出してしまいます。
すぐ近くにあるマイクの距離感でしゃべってしまうと、聞いてる人は、「耳元」や「10cmくらいの位置」で話されているような感覚になってしまいます。
声を出す時は、マイクの位置ではなく、「机を挟んで、向かいに相手が座っている」というイメージをしながら声を出しましょう。
聴いてる人を意識する
どんなに魅力的な声をしている人でも、ボソボソとしゃべったり、ダラダラと無計画にしゃべると、魅力が半減してしまいます。
「演技をする場合」は、しっかりと気持ちを作ってから、求められている状況に応じた声を出す事が、当たり前になっています。
ですが、「トークの場合」は、「日常の自分」になってしまいやすく、家の中で家族や友達としゃべっているような声や、内容になってしまいがちです。
「自分は舞台の上に立っていて、大勢の人が自分のトークを聞きに来ている」というイメージをすると、「ただのおしゃべり」が「お客様を楽しませるためのトークショー」という意識を持つ事ができます。
その意識を持つ事で、「魅力のあるトーク」をする事ができるようになります。
「リップノイズ」の対処法
「リップノイズ」とは、口を閉じている状態から口を開く時に、唇が音を立ててしまう事です。
とても小さな音ですが、「くちゅ」「ぷちゅ」という音がマイクに入ってしまう事があり、聞いている人に、不快な印象を与えてしまいます。
リップノイズを軽減する方法は、しばらく口を閉じる場合、完全には閉じないようにする事です。
ギリギリ閉じていない状態にして、唇同士がくっつかないようにすると、リップノイズが抑えられます。
大きな声を出す場合
「普通の音量の声」の途中で、「一部分だけ、大きな声」を出すと、音量に大きな差ができてしまいます。
音量の差は、聞きづらくなったり、不快感の原因にもなりますので、聞く人の事を考えて対処すると良いでしょう。
●収録時の対処法
収録の場合は、後から音量を調節する事ができます。
普通に話している時の声が聞き取りやすいように、「普通の声」を基準にしてしまうと、「大きな声」が、さらに大きな音量になってしまって、音が割れてしまいます。
逆に、「大きな声」を基準にしてしまうと、「普通の声」が小さくなりすぎて、聞き取れなくなってしまいます。
このような場合は、音楽編集ソフトで「コンプレッサー」をかけて、「大きな声」の音量を抑制して下げてから、全体の音量を上げる事で、「普通の声も聞き取りやすく、大きな声も大きすぎない」という状態にする事ができます。
●生配信をする場合
生配信の場合は、後から音量を調節する事ができません。
視聴者は、普通に話している時の音量が聞き取りやすいように、「ちょうど良い音量」にしているため、急に大きな声を出すと、音量が大きくなりすぎて、耳が痛くなってしまいます。
このような場合は、通常時はマイクの近くで、マイクに向かって声を出す事で、ちょうど良い音量になるようにしておき、大きな声を出す時には、体を後ろに反らしてマイクから離れたり、マイクと口が直線にならないように、少し顔をそむけると良いでしょう。
編集をする
噛んでしまったり、ド忘れしてしまったり、何をしようかと間延びしてしまった部分は、編集でカットすると良いでしょう。
素人っぽさが出てしまうほど、「ただの人」という印象になり、魅力を感じなくなってしまいます。
視聴者に「自分の一番良い所」を届けるという気持ちで、編集をすると良いでしょう。