【声優講座①】腹式呼吸・肺活量・発声のための正しい姿勢
「発声のための正しい姿勢」を身につけよう
「発声のための正しい姿勢」の効果
「良い発声」をするためには、「正しい姿勢」をする事が大切です。
背中が丸くなっていたり反っていたりすると、身体に余計な力が入ってしまって、肺に十分な空気を取り込めなくなってしまいます。
また、声は身体の内側で反響して、良い響きが作られるため、良い姿勢をキープして、良い声が安定するようにしましょう。
「正しい姿勢」の仕方
①足を肩幅くらいに広げてください。
足を閉じたり、広げすぎないようにしましょう。
②身体をだらんとしないように、上から糸で引っ張られているように、背筋をスっと伸ばします。
背中が丸くなったり、反ったりしないようにしましょう。
③顔をまっすぐに前に向けてください。
あごを上げすぎたり、引きすぎないようにしましょう。
「正しい姿勢」のコツ
「正しい姿勢」をやってみて、フラフラとしてしまったり、そのままの姿勢を継続し続けるのがつらい場合は、インナーマッスルが弱いため、インナーマッスルを鍛えて、楽に継続できるようにしましょう。
「正しい姿勢」の発声を確認してみる
声を録音しながら、最初は「正しい姿勢」をして、「あー」と、発声して見ましょう。
その後、頭を前後・左右に倒しながら、発声してみてください。
正しい姿勢の時と比べて、発声しにくく、キレイな声も出なくなってしまうと思います。
さらに、立った状態で、前屈したり、思いっきり反らしたり、フラフラしたり、ふにゃふにゃしたりしながら、発声してみてください。
録音を再生して聞くと、「正しい姿勢」の大切さが、とても実感できると思います。
「腹式呼吸」をできるようにしよう
「腹式呼吸」の効果
「腹式呼吸」とは、胸部をあまり動かさずに腹部を使って、たくさんの空気を吸い込み、安定した声を出す事ができる呼吸法です。
胸式呼吸をしてしまうと、肋骨が広がり、肩やノドのあたりに力が入ってしまうため、良い発声ができなくなってしまいます。
「腹式呼吸」の仕方
●第1段階
①床に、仰向けに寝てください。
②おなかの上に、雑誌など少し重いものを乗せます。
③鼻から息を吸いながら、お腹を膨らませて、お腹の上の雑誌を押し上げてください。
④そのまま、少しキープして、口からゆっくりと息を吐いて、お腹をへこませていきます。
感覚を掴むまで、何度も繰り返して、練習してみてください。
●第2段階
寝た状態の腹式呼吸で感覚を掴めたら、立った状態でできるように、練習してみましょう。
●第3段階
意識しなくても、常に腹式呼吸ができるようにしましょう。
最初は、難しく感じると思いますが、慣れると気にならないほど、自然にできるようになります。
「腹式呼吸」を実感する方法
腹式呼吸に慣れたら、腹式呼吸をして「あー!」と発声をしてみてください。
その後、あえて胸式呼吸をして「あー!」と発声してみてください。
腹式呼吸が上達すると、息が長く持ち、空気がなくなってきても、安定した声が出せる事に、気付くと思います。
「腹式呼吸」に関する知識
歌や演技を習っていない一般の人の場合は、男性は自然と「腹式呼吸」をしている人が多く、女性は「胸式呼吸」をしている人が多いと言われています。
「肺活量」を鍛えよう
「肺活量」の効果
「肺活量」とは、「一度に吸って、吐く事のできる空気の量」の事です。
肺活量が多いと、長いセリフを一呼吸で言えたり、強く安定した発声ができたり、ブレスの箇所が少ない歌でも、苦しくならずに歌えるようになります。
簡単に息切れしないようにするためにも、肺活量を鍛えておきましょう。
「肺活量」の鍛え方
●「ペットボトル」で鍛える方法
①空の500mlのペットボトルを口にくわえ、ペットボトルが潰れるほど、口から思いっきり吸い込みます。
②息を吸いきったら、口から息をペットボトルに入れて、潰れたペットボトルを元の形に戻します。
これを繰り返す事で、肺活量を鍛える事ができます。
最初は、簡単にペコペコするやわらかいペットボトルを使用し、慣れてきたら硬めのペットボトルを使用すると良いでしょう。
●「息止め」で鍛える方法
①腹式呼吸で、鼻から大きく息を吸い、もうこれ以上、息が吸えないというくらいまで吸います。
②息を吸いきったら、その状態で数秒息を止めます。
③口から息を吐き出します。
慣れてきたら、息を、ゆっくり吸ったり、早く吸ったり、短く止めたり、長く止めたり、ゆっくり吐いたり、早く吐いたりして、呼吸をコントロールしてみましょう。
●「有酸素運動」で鍛える方法
早めのウォーキングや、ランニング、縄跳び、自転車、水泳、踏み台昇降運動など、有酸素運動をする事で、肺に入った空気を、体が効率よく使えるようになります。
体力アップにもなりますので、有酸素運動はしておくと良いでしょう。
「肺活量」を確認する方法
肺活量を確認する方法は、「あー」と長く発声をしたり、スゥーっと息を長く吐いて、どれだけ長くできるかやってみてください。
ストップウォッチを使って、長さを測ってメモをしておくと、自分の成長がわかるのでオススメです。