【キャラクター講座②】線の描き方(線の知識&練習の仕方)
「線」の描き方
「線の描き方」を研究しよう
今回は、「線の描き方」の研究をします。
「線を描くだけなら簡単」と思うかもしれませんが、「線の描き方」の中にも、たくさんの技術があります。
線を自由自在に描けるようになってから、「絵の練習」をする事で、「これから先の成長スピード」が格段に違ってきます。
また、「ずっと線がキレイに描けないまま」だと、「描いた絵が、ずっとうまく見えない」という、負のスパイラルにハマる事もあります。
線を描く練習の必要性
「絵がうまい人の線」を見て、「なんで、こんなにキレイな線が描けるんだろう?」と思った事はありませんか?
「絵がうまくなりたい人」は、「キャラクターの描き方」に注目してしまいますが、それよりも前の段階に当たる、「線の描き方の練習」をしておく必要があります。
キャラクターの絵の練習をする時に、線がヨレヨレしていたり、キレイな線が描けないだけで、全てが台無しになり、「絵がうまく見えなくなってしまう現象」があります。
せっかくがんばって練習をしても、「線」の事を知らなければ、描きあがった絵を見て、「どんなに練習しても、うまくならないな~」と思って、落ち込んでしまうかもしれません。
「急がば回れ」です。
●絵を描き慣れていない人
思ったように動かなかったり、カクカクしたぎこちない動きになったりします。
筆圧は、すごく強いまま変えられなかったり、「弱くしてみて」と言うと、ヨレヨレと微かに見えるくらいの薄さになったりします。
逆に、力を入れても、筆圧を強くできない事もあります。
●絵を描き慣れている人
指や手首の可動域が広く、指・手首・腕がスムーズに動いて、スゥーっとなめらかに線が描けます。
筆圧は、強い状態から弱い状態まで、思う通りに、何段階も調節する事ができます。
線を描く練習をしよう
「手描きの絵」も「CGの絵」も、「スムーズに線が描ける事」と「筆圧のコントロール」は、とても大切になりますので、自由自在に描けるように練習をしましょう。
「一気に何時間」もやるよりも、「毎日15分だけ」を続ける方が効果があります。
「絵を練習する前の準備運動」として、やるようにすると続けやすいです。
愛楽も、絵を描く前は「手の調子」と「機材の調子」を確認するために、線や円を描いたり、筆圧のチェックをしています。
スムーズに線を描く練習
●線や円を描いて練習
指・手首・腕をスムーズに動かしながら、線や円を自由に描いてみてください。
ぎこちなくなる動きがあったら、何度も練習してみましょう。
●絵をなぞって練習
参考にしたい絵の上に紙を置いて、それをなぞって描いてみてください。
絵を描くための手の動きを、実践で練習する事ができます。
●描きやすい方向を知る練習
どうしても、うまく手が動かせない場合は、紙の方を回転させて、描きやすい角度にして線を描いてみましょう。
右利きの場合は、「右上から左下」の動きは動かしやすいですが、「左上から右下」の動きは苦手な人も多いです。
(左利きの場合は、反対になります)
CGソフトにも、「画面を回転させる機能」が付いてるものがあります。
プロも、線を描きやすい方向に、紙(画面)を動かします。
筆圧をコントロールする練習
●ちょうど良い筆圧で描く練習
強すぎず、弱すぎず、ちょうど良い筆圧を探してみてください。
「このぐらいがちょうど良い」という筆圧がわかったら、その筆圧をキープしながら線を描く練習をしてください。
これは、「均一な線」を描くために必要になります。
●弱い筆圧で描く練習
「ちょうど良い筆圧」より、弱い筆圧で描いても、ちゃんと線が描けるように練習してください。
それができるようになったら、「何段階も筆圧を調節できる」ようになれると、さらに良いです。
これは、「細い線・薄い線」を描くために必要になります。
●強い筆圧で描く練習
「ちょうど良い筆圧」より、強い筆圧で描いても、ちゃんと線が描けるように練習してください。
それができるようになったら、「何段階も筆圧を調節できる」ようになれると、さらに良いです。
これは、「太い線・濃い線」を描くために必要になります。
「キレイな線」を描くコツ
●スッと大きく1度で描く方法
勢いよく描くので、ヨレヨレになりにくくなります。
はみ出た所は、あとから消せば良いので、思い切ってスッと描きましょう。
この描き方は、「長い線」を描く時に役立ちます。
●細かく継ぎ足していく方法
短い線を重ねながら、線を描くため、線をコントロールしやすくなります。
この描き方は、「繊細な部分」を描く時に役立ちます。
線による表現方法
線の描き方ひとつで、絵の印象が大きく変わります。
「荒々しく描かれた少年漫画」や、「繊細に描かれた少女漫画」などは、「線から感じる印象」をうまく使って表現されています。
イラストを描く時も、自分の絵に合う「線の表現方法」を選ぶ事で、より良い絵にする事ができます。
線の「太さ・細さ」について
●太い線
力強く、豪快に見えます。
その反面、雑に感じる事もあります。
●細い線
繊細で、キレイに見えます。
その反面、弱く感じる事もあります。
線の「強弱の有無」について
●線に強弱がない場合
線の太さが均一のため、キッチリとしていて、機械的に見えます。
静かで落ち着いて感じます。
●線に強弱がある場合
ランダム性があり、抑揚を感じ、手描きらしさが出ます。
光が当たっている部分を細くしたり、影になる部分を太くしたり、外側の境になる線を太くして、シワの線を細くするなど、表現の幅が広がります。
●線に強弱を付ける方法
線に強弱を付ける方法は、主に2種類あります。
①「強弱のあるブラシ」を使って描く方法。
筆圧で強弱をコントロールします。
②「強弱のないブラシ」を使って描く方法。
均一の線で描いた後、強調したい部分を何度もなぞって太くします。
線の「入り・抜き」について
●「入り」とは
線を描き始める時に、筆のように細く入って描いていく事です。
●「抜き」とは
線を描き終わる時に、筆のように細くして紙からペンを離す事です。
●「入り・抜き」がある状態
線の始めと終わりがなめらかになり、自然に見えるようになります。
●「入り・抜き」がない状態
太い線で描き始めて、太い線で終わるため、線が強く主張して見えます。
「入り・抜き」がないと、「太いマジックペン」で描いたような感じになります。
「どんな線にするか」は「自分の好み」で選ぶ
「どんな線で描くか」の選択は、「絵柄」に大きく関わってきます。
「細くて、強弱のない均一の線」や「太くて、強弱の幅がある線」など、自分の描いた線が、「どういう風に見えるのか」をよく考えてみましょう。
どんな線が自分の絵に合っているのかが、わからない場合は、「線」に注目して、いろんな人の絵を見ると参考になりますよ。
「自分の好みの線」や「自分の絵に合う線」を模索してみてくださいね。