【イラスト講座③】 ラフ・アタリ ・下絵 ・クリンナップ
【 線画の実践編 】ラフ
ラフとは、どんな絵を描こうかと、画面の上でアイデアを練っていく工程の事です。
頭の中に描いたイメージを元にして、直接本番の絵を描いていく事もできますが、ラフを描く事で、アイデアを深めてさらに良くしたり、何パターンもアイデアを描いて、その中から一番良いアイデアに決定する事もできます。
また、頭の中に曖昧なイメージしかなくても、とりあえず何か描いてみる事でアイデアが浮かんだり、まとまってくる事もあります。
いきなり本番の絵で描き始めて、画面に入り切らなかったり、実際に描いてみるとおかしいという状況も防ぐ事ができます。
ラフを描かないという人もいますが、これから絵を描いてみようと思っている人は、ラフを描く習慣を付けておくと良いでしょう。
【 線画の実践編 】アタリ
アタリとは、絵を描く時にバランスが崩れないようにするために、大まかに形や印を描く工程の事です。
人物を描く時に、丸や十字の線を描いているのを、見た事がある人もいるかと思います。
複雑なものをいきなり描こうとすると、なかなか上手くいかなかったり、難しく感じてしまいますが、アタリで簡単なものに置き換える事で、頭の中が整理され、複雑なものでも描きやすくなります。
また、アタリで形を単純化して考えられるようになると、描こうとしている人物を頭の中で動かしたり、別の方向や角度から見た状態を描く時に、とてもイメージがしやすくなります。
がんばってキレイな顔を描いた後で、頭と体のバランスがおかしくて、「顔を全部描き直さないといけない」という事も防ぐ事ができます。
アタリを描かないという人もいますが、これから絵を描いてみようと思っている人は、アタリを描く習慣を付けておくと良いでしょう。
【 線画の実践編 】下絵
「ラフ」でアイデアを練って、「アタリ」で絵のバランスを整えたら、次は「下絵」を描いていきましょう。
大まかな所から描いていく
目や口などの細かい部分をいきなり描いてしまわずに、輪郭や体など大まかな所から描いていき、段々と細かい所を描いていくようにしましょう。
(バランスを見るために先に描いておきたい場合は、軽く簡単に描いておくと良いでしょう)
頭や体が不確かな状態で、その中に収まる目や口を描いてしまうと、頭や体を描き直さないといけなくなった時に、目や口も描き直さないといけなくなってしまいます。
描き直す時間のロスや、「がんばって描いたのに描き直さないといけない」という心労で、疲れてすぐには描けなくなってしまう事もあります。
描きやすさを一番に考えて描く
下絵の線は、あとでキレイな線で描き直すため、描きやすさを一番に考えて、線がはみ出したり重なっても気にせずに描いていきましょう。
最終的には隠れてしまう部分でも、バランスが崩れないようにするために、キッチリと隠れてる部分も描いておき、あとでキレイな線で描き直す時に消してしまうと良いでしょう。
どうすれば描きやすいかは、何度も下絵を描いて経験を積む事でわかってくるようになります。
描き終わったらしっかりと確認をする
下絵が完成したら、修正箇所がないかしっかりと確認をしましょう。
ここから先で下絵の修正箇所を発見してしまった場合、修正にかなりの時間と労力を要する事になってしまいます。
【 線画の実践編 】クリンナップ
「クリンナップ」とは、ラフやアタリの線が残っていたり、下絵を描く時に、描きやすさ重視であえて線を荒く描いていた状態を、キレイな線で描き直す工程の事です。
「ペン入れ」とも言います。
クリンナップで、絵の仕上がりがかなり変わってくるので、丁寧に描いていきましょう。
線を描く時は、線が描きやすい方向に「画面(紙)を動かす」と描きやすくなります。
線の太さは、「全体を均一の太さ」にするか、「いろんな太さ」にするかで、完成した絵の雰囲気はかなり変わってきますので、「自分の絵にあった線」を研究してみてください。
また、「入り・抜き」がないと、マジックペンで描いたような印象になります。
「入り」とは、「線の描き始めを細くする事」で、「抜き」とは、「線の描き終わりを細くする事」です。
クリンナップが終わると、線画の工程は全て終了です。